ニコンは6日、「レイバン」などを手がける眼鏡世界大手の仏エシロール・ルックスオティカが筆頭株主になったと発表した。同社は議決権べースで10.75%を握った。10%超えは外資企業による投資を規制する外為法の審査を通過したことを意味し、今後2割まで高める見通しだ。すでに協力関係にある両社が、今後さらに関係を深める可能性もあるまずは,ノーベル生理学・医学賞の受賞おめでとうございます
さて,外資による日本企業の買収?ということで,少し前から話題になっておりますフランスのエシロール社とニコンについて。エシロールのニコン株の取得が進んでいるようです。ニコンといえば投資家はレンズよりも半導体銘柄であることに注目します。外為法上は厳しい審査を受けることになりますが,どうやらOKが出たようです。
エシロールはコツコツとニコン株を買い集めて昨日時点の変更報告書で10.59%ですか。些末なことながら,大量保有報告書では自己株式を分母に含めるヘンな計算方法をするので,小さめの数値が出ますが,(ニコンの公表した)議決権比率では10.75%になります。そろそろ大量保有報告書の計算方法を分かり易く改めて欲しいところ(こんな意味のねえ数値を誰が使うねん( ゚Д゚)ゴルァ)
先日もコメントしたように,out in投資の少なさを考えると,一定程度の外資による買収は悪いことではないと思うのですが,友好的買収ならともかく最近はセブン&アイにせよ芝浦電子にせよ,同意のない買収(提案)が多いのが不安を招いているのでしょうね
両社は首脳クラスでやりとりを重ねているものの「株を買わなくても協力するのに、当初から何が目的かよく分からない」(ニコン幹部)との声もあがるたしかに,協業関係のある相手先なのに買い増しの真の目的も分からず,報告書の投資目的が「長期投資」とされていれば,ニコン関係者が戸惑うのは理解できます。
主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ
2025 年 10 月 1 日付で、下記のとおり当社の主要株主である筆頭株主に異動がありましたので、お知らせいたします。新たに主要株主である筆頭株主となるエシロールルックスオティカからは、外国為替及び外国貿易法に基づき、総株主の議決権の最大 20 %までの当社株式の取得に関する関連当局のクリアランスを取得した旨の連絡を受けています。当社とエシロールルックスオティカは 2000 年に出資比率 50:50 の合弁企業として株式会社ニコン・エシロールを設立し、以来、ニコンブランドでのメガネレンズ事業において、長年にわたり友好的な協業関係を継続してきています。今後も当社は、株主の皆様を含む全てのステークホルダーの期待にお応えすべく、持続的な企業価値向上に努めてまいります適時開示をみてもニコンとしてはエシロールの意図を測りかねているようですね。完全な買収まで進むか否かはともかく,20%程度まで取得して,ある程度の影響力は確保したいということでしょうか
最後に前々からどう考えるべきか分からない論点を1つ。経済安全保障の見地は別として,グローバルなM&Aについて相互主義というものは関係しないのでしょうか。というのは,セブン&アイがクシュタールに買収されそうになったとき,セブン&アイとしてはカナダでクシュタールを買収するという選択肢(パックマンディフェンス)もあったはずですが,カナダの国内法がそれを難しくしているとのことでした。制度の不均衡という点ではフランス法でも似たところはありそうです(いまとなっては昔話ですが,日産とルノーとの関係も,ルノーにはフランス政府が二倍議決権で出資以上の支配権を取得しているなど,法制度の違いから日産は不利益を被っていました)。
セブン&アイ買収事件でいまだにどう考えるべきなのか答えがみつからず,引っかかっているところです。国内M&AであれグローバルなM&Aであれ,競争条件は平等でないとオカシイのではないでしょうか?(株主にとってはそんなの関係ないという考え方も分かるのですが…)
