海外企業による日本企業の買収や株式取得に際して、外為法の審査が焦点となるケースが目立ち始めている。台湾電子部品大手の国巨(ヤゲオ)による温度センサー大手の芝浦電子へのTOB(株式公開買い付け)は外為法審査の長期化を理由に延長を繰り返した。審査内容や期間の予見可能性が低いといった問題が浮かび上がったヤゲオによる芝浦電子の買収がようやく成立する見通しです。ホワイトナイトのミネベアミツミは価格競争に敗れて撤退していましたが,外為法の審査の方が厄介でした
原則30日の審査期間がどうしてこれほど長期化したのか,説明はなにもありません。当局は当事者にも口留めしていると思われ,今後情報が洩れ伝わることもないでしょう。なぜか知らないけど,半年以上の審査期間が必要だったようです ┐(´-`)┌
経済安保に関連する審査について,なんでも情報を外部に公開できないのは理解できます。が,それにしても,何のためにこれほど審査期間が長かったのか説明がないとなると,記事が指摘するように,実務界の予測可能性を失わせてしまいます。予測可能性の欠如が経済活動に大きなマイナスであることは,トランプ政権をみればわかること。
日本企業が外資に飲み込まれるようなイメージが広がっていますが,実は外国からの日本への投資はGDP比でみると,先進国の中でも極めて低いことは注意を要するかと。以下はネットで流れている経産省の資料です。
つまり,現時点において海外企業にとって日本企業は投資しにくい,あるいは,投資するに値しないと見られているということかと。一部企業が外資に買収されるからといって,外資から日本企業を防衛すべきだ,などと騒ぐのは過剰反応ではないのかな。
なによりも,外為法でチェックするのは,安保関連の技術の流出を防ぐなど安全保障に関するものであり,日本企業を守ることが目的ではないはず。
選択:「外為法」は企業の守護神にあらず
なお,昨今の外為法審査について,日本企業の不安に寄り添うような報道(?)もあります。「選択」最新号ですが,「選択」のスタンスからすると珍しいですね。上述した理由から,残念ながら,あまり賛成できません
