養命酒の筆頭株主の交替😐~大正製薬に裏切られたように見えるけど株主には悪くないかも

日経:よろい失う養命酒 新筆頭株主は「村上世彰氏の身内」
いきなり安定株主という「よろい」を失うことになった養命酒製造の経営陣の胸中はいかほどだろうか。ことの発端は、3月下旬の大正製薬ホールディングスによる養命酒株の売却だ。議決権ベースで24%にあたる保有株をある投資会社に1株2394円で売却し、養命酒との資本・業務提携を解消した
 養命酒の筆頭株主が保有株式を村上氏関係者に譲渡したことが話題になっています。興味深いのはこの筆頭株主が悪評高いMBOで上場廃止をした大正製薬だというところ

 大正製薬のMBOは条件が悪かったにも拘わらず,上原家に加えて持合い株主が応募したために成立しましたが,養命酒も早い段階でTOBに応募すると公表して忠誠心を示していました。
 市場価格よりも安値のTOBに応ずるのは何事かと,自社の株主を怒らせて株主代表訴訟提起を仄めかされていましたが,どうやらそちらは大丈夫だったようです(大正製薬のTOBではMoMは条件になっていなかったですが,応募契約を締結せずにTOBに応募する持ち合い株主は,マジョリティオブマイノリティだとどのようにカウントされるのでしょうね?昨日の論稿でも指摘したように,意外と扱いがハッキリしていなかったりしますよね)

 ところが,無事にMBOを完了した大正製薬は養命酒の株式をこともあろうに村上関係者に売却。恩を仇で返したようなものですね。ただし,それは会社間ないし経営陣の間のハナシであって,今回の大株主の入れ替えは,養命酒の株主にとって意外と悪くないことかもしれません。PBRが絶賛1倍割れでROEが1~2%と残念な経営指標ながらも経営を維持できたのは,筆頭株主が経営指標なんてさほど興味のない大正製薬だったから。

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※ヤフーファイナンスより

 筆頭株主の交替が公表された3月24日以後養命酒の株価は大きく上がっています。コーポレートガバナンスの基本は,運営機構の仕組みがどうこういう以前に,経済合理性に基づき行動する株主が存在するか否かです。養命酒がこれからどのような動きをするのか楽しみに見ていきたいです