改正会社法~社外取締役

日経:社外取、問われる成果 改正会社法が成立
社外取締役の設置が義務になるのは(1)監査役会を置き、株式の譲渡制限がない(2)資本金が5億円以上または負債総額200億円以上の大会社(3)有価証券報告書の提出義務がある――のいずれも満たす企業。上場、非上場を問わない。政府は2021年の施行を目指す
会社法改正法案が昨日成立しました。やや筋悪なヘンな改正もありましたが,「桜を見る会」の空騒ぎに邪魔されず無事成立してなによりです。
 政省令の整備に加えてガバナンスに関わる改正が多いので,各社が改正法を遵守するには株主総会を1度は開かなきゃいけないので,施行は1年以上先になるのでしょうね(募集停止とはいえ法科大学院教員なので,いつ施行かにより司法試験の範囲か否かが決まるという意味で関心を持っております)。
東証(2019/8/1):東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況
この資料によりますと,すでに東証一部上場企業のうち93.4%が2名以上の独立社外取締役を有しているので,今回の改正が実務に与える影響は大きくないと思われます。ニューヨーク証券取引所がはじめて社外取締役の選任義務を上場規則で設けたときも,ほぼすべてのNYSE上場企業が社外取締役を選任しておりましたが,それと同じように実務の追認的な意味がありますね。
 ヒネクレ者の私は,依然として社外取締役を選任していない会社に注目してしまいます。上の資料の6頁に独立取締役,社外取締役の選任状況一覧表がありますが,「社外取締役0名」の欄を見ますと,こんなにあるのですね
一部上場2社,二部上場5社,マザーズ上場7社,ジャスダック上場43社=57社
 となると,これらの企業は改正法により,社外取締役の採用を義務付けられるのでしょうか?要件を確認しますと,
➀監査役会を置き、株式の譲渡制限がない
②資本金が5億円以上または負債総額200億円以上の大会社
③有価証券報告書の提出義務がある

 ③は上場企業である以上は提出義務がありますし,➀についても上場会社は大会社でなくても上場規程で監査役会の設置義務があるので,要件は満たしてしまいます。しかし,②は必ずしも満たすとは限らないですね。
ヤフーファイナンス:資本金ランキング
3757社の上場企業で資本金5億円の分水嶺は,上の表によると3241番目と3242番目の間。3242番目以下の約500社は5億円未満ですから②の要件を満たしません(負債はとりあえずムシ)。
 さらに,5億円以上資本金を有する会社であっても,減資をすれば②の要件を外れることになります。先のポイント還元(非上場ですけど)だとか,数年前は節税目的で減資する上場企業がありましたが,資本金を基準にルールを定めるとよくあることなので,珍しくありません。
 現在の社外取締役ゼロの57社の選択肢は社外取締役を選任するか,減資(あるいは資本金5億円未満を理由に)で規制を逃れるのか,これは見ものですね。個人的には後者のような強かな会社は嫌いじゃないです(笑)
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