東証の市場再編の議論は骨抜きか? (=_=)

日経ビジネス:不満噴出の東証再編議論 市場区分見直し、基準“骨抜き”に
東京証券取引所の市場区分を見直す議論が金融庁主導で進むが、内容は当初より後退してしまった印象だ。情報漏洩問題の影響を受けたほか、東証1部から外れそうな企業への“迎合”とも受け取れる内容が加わった。政府も日本経済活性化に向けた検討課題と位置づける改革だが、絡み合う利害を整理するのは簡単ではない
 金融庁で議論されている東証の市場再編に関する記事です。記事の内容は既存の一部上場企業に配慮しすぎているとして,現在の議論の方向に対して批判的です。
 しかし,そうでしょうか?昨日コメントした東芝救済論らしき夾雑物は別ですが,基本的な方向として現在の市場再編の議論に私は賛成です。むしろ,かつてのように,市場再編そのものを目的とするものから,市場再編と指数とを切り離して議論する方向に動いたことは高く評価されるべきで,後退などという批判は失当だと考えます。
 そもそも市場再編が必要だという議論は,一部銘柄が玉石混交だ,ということよりも,東証一部銘柄=TOPIXと自動的に運用対象に組み入れられて資産運用上不都合があったから,玉はともかく石も自動的に買われていいのか,というのが大きな問題だったかと。そういう問題がなければ,率直な話,市場再編などどちらでもよかったのではないかと思うのです。
こうした議論に対し、「欧米市場のように上位市場の降格基準を厳しくしたり、銘柄入れ替えを取り入れたりすれば済む話を、かえってややこしくしている」
と記事では批判的見解を紹介していますが,欧米でも市場区分と指数とは別物です。また,プライム市場だから当然に新指数に入るというわけではありません。
 そういうことなら,指数だけで議論すればよく市場再編は不要では,という見解も出てきそうで,それはそれでありうる考え方だと思います。しかし,JPXの下で様々な経緯を持つ市場を一緒にしたことから新興市場が2つもあるなど,いずれ整理が必要なのはたしか。これを機会に3つに区分しようという判断はそれなりに合理的だと思われます。指数と議論を切り離したので,市場を整理するに当たっては,漸進的に進めることができるようになったのでしょう。「一部ブランドには拘るが指数に入ることは拘らない」企業が既存の一部上場企業に多い以上,現在の進め方なら無用な混乱を回避できます。
 プライム市場というなら,それなりの高い要件を設ける必要があるでしょうが,制度変更の影響を緩和するには経過措置も必要かと。たとえば,プライム市場では英文開示が必要で社外取締役も三分の一以上必要などガバナンス上の厳しい基準や高い流動性基準を設けて,(たとえば)3年以内に実現できなきゃスタンダードに行ってね,というやり方は悪くないと思うのですよ。
 記事は,以前のような強制的な市場再編の方が本来の在り方と考えているのかもしれませんが,TOPIXを維持した市場再編では多くの上場企業が二部に落ちて無用の軋轢を生んだであろうし,それこそ「不満噴出」になったと私には思われます。
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