来週は武田薬品工業の臨時株主総会も ~シャイアーとの経営統合

日経:武田のシャイアー買収 創業家元会長が「反対」
武田薬品工業によるアイルランドの製薬大手シャイアーの買収に対し、同社の社長、会長を務めた武田国男氏(78)が反対を表明した。27日までに日本経済新聞社の取材に対して代理人を通じて「賛成できないというのが自分の考えだ」と明らかにした。武田を飛躍的に成長させた「カリスマ」が初めて意見を表明した。12月5日の臨時株主総会が焦点となる。
武田・シャイアーの経営統合を決める武田の株主総会もアルパイン総会と同じく,来週の5日に開催されます。アルプス・アルパインに比べるとドラマ性は低いですが,規模と重要性ではそれを凌ぐといってよいかも。創業家の武田さんが反対を表明されたそうですが,決議の結果にさほど影響はないかと。招集通知・参考書類が先日送られてきましたがHPにもアップされております。
臨時株主総会招集ご通知
 議案は2つ。いずれもシャイアーとの経営統合関連なのですが,第2号議案はシャイアーの役員を武田の取締役として選任するというもので,あまり違和感はないのですが,1号議案の方が内容を見て「へえー,こうなるんだ」という感想を持ちました。第1号議案は募集株式の募集事項の決定を取締役会に委任する件となっております(4頁以下)。
 もうちょっと詳しく見ますと,基本的枠組みはジャージー会社法のスキームオブアレンジメントという手続きを使って,すべてのシャイアー株式を取得することとし,対価として金銭(@30.33米$)と武田株式を交付するというものです。武田側からすると,武田株式を発行する出資の対価としてシャイアー株式を受け取るので,現物出資になるわけですね。
 また,今回は通常の募集株式発行の決議と違って取締役会に委任をしております。これは,
会社法200条 前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。
2 前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。…
に基づくものです。ときどきこういう決議を見ますが,今回取締役会に発行を委任するのは,シャイアー側の裁判所の認可が来年1月に予定され,新株発行はそのあとだからでしょうか。
 新株発行権限は上場会社の場合には取締役会にありますが,有利発行となる場合には株主総会決議が必要で,今回はそれに該当する可能性があるために臨時株主総会を開催しているということなのでしょう(今回は委任する払込金額の下限が有利発行に該当しうるということ)。たしかに,それなりに良い条件じゃないと,シャイアーの株主は賛成しないでしょうからね。
 シャイアー株主は経営統合後に金銭とともに武田株式を交付されますが,多くの株主(特に個人投資家)は武田株は売却してしまうでしょう。そのためのスキームも用意されているようです(12頁以下の「法人ノミニー」を通じた処分)。逆に言うと対価が武田株式だけだと,手にするキャッシュが幾らになるか不確定になるので,キャッシュ+株式という枠組みになるのでしょう(⇒だからこそ決議に賛成してくれるわけ)。鳴り物入りで導入される「自社株対価の公開買付け」がさほど利用されないだろうという私の予想(再び自社株対価のTOBについて)を裏付けるものかと
 現場を見てもあまり得るものはないかもしれませんが,仕事の状況を見ながら,来週は場合によると総会に出席して参ります
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